朝晩が涼しくなり、羽織るものが欲しくなる10月。夏にはそばに置いていた水筒も、最近は出番が少なくなっていませんか。
汗をかくことが減ると、水分補給を思い出すきっかけも減りがちです。でも、「汗が目立たない日」と「水分がいらない日」は同じではありません。
【体の水分は、汗以外からも出ていく】
体の水分が出ていく道は、汗や尿だけではありません。呼吸や皮膚からも、気づかないうちに失われています。汗とは別に起こるこうした水分の喪失を、専門的には「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と呼びます。[1]
少し難しい名前ですが、「見えないところでも、水分は出ていく」と覚えれば十分です。
涼しくなって汗をかく量が減っても、水分補給そのものが不要になるわけではないのですね。
【夏と同じ量を、無理に飲む必要はある?】
必要な水分は、暑さや活動量、体調などで変わります。また、水分をとる経路は飲みものだけではなく、食事もその一つです。[2]
そのため、「秋だから一律に減らす」「季節や過ごし方に関係なく、毎日必ず同じ量」と決めるより、その日の状況に合わせることが大切です。
例えば、涼しい日でも長く体を動かした日と、室内で静かに過ごした日では条件が違います。一日の中でこまめに飲む習慣を持ち、活動して汗をかいたときには、その分の水分補給も意識しましょう。[2]
【冷たい水でなくても大丈夫】
「夏のように冷たい水を飲む気にならない」という日は、常温の水や温かい麦茶を選んでみませんか。
水だけでなく、無糖のお茶なども一日の水分摂取に含まれます。[2] 飲みやすいものを選ぶのも、暮らしに取り入れる工夫です。
朝、カップを出すとき。仕事や家事の合間にひと息つくとき。「休憩したら飲みものを用意する」と、いつもの行動と組み合わせてみましょう。
【今週の目標】
午前の休憩に、水か麦茶を飲む。
忙しいと、飲みものを用意したまま忘れてしまうこともあります。今週は、午前の休憩を一つのきっかけに。水分補給をこの一回だけで済ませるという意味ではなく、日中こまめに飲む習慣への小さな一歩です。
※水分の量について医師の指示がある方は、その指示に従ってください。[3]
編集後記:衣替えの季節も、飲みものを身近に。
【次週のテーマはこちら!】
2026年10月号 第4週
お風呂のあと、なぜ眠くなる?
体の温度と、眠りの関係をのぞいてみます。
【参考資料】
[1] 日本救急医学会「不感蒸泄」
https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0515.html
※発汗以外の皮膚・呼気からの水分喪失について参照。
[2] 英国国民保健サービス(NHS)「Water, drinks and hydration」
https://www.nhs.uk/live-well/eat-well/food-guidelines-and-food-labels/water-drinks-nutrition/
※水分の必要量に関わる条件、食事からの水分、無糖のお茶、日中こまめに飲む習慣について参照。
[3] 環境省「『健康のため水を飲もう』推進運動」
https://www.env.go.jp/water/water_supply/nomou/index.html
※水分補給の習慣、治療中で医師の指示がある場合の対応について参照。
資料確認日:2026年9月8日